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AT-PEQ20改造

AT-PEQ20改造

フォノイコライザー

AT-PEQ20改造



フォノイコライザーAT-PEQ20の部品を交換してみました。

 MC対応のイコライザーアンプが欲しくて、 オーディオテクニカAT-PEQ20が安く手頃だったので購入したのですが、しばらく聞いているうちに音質に不満が出てきました。もっと心地良い音がするはずだ、CDよりも癒される音にしたいということで改造に着手しました。

 この手の機器にはオペアンプが使用されていて、オーディオ用途のオペアンプは数種類あり価格も1個50円から数千円まであり、かなり音質に特徴があるようです。
AT-PEQ20もオペアンプが使われていますので早速オペアンプを交換するすることにチャレンジしてみました。
中を開けてみると部品は今時の表面実装ではなくDIPタイプの部品なので交換することは難しくありませんし、
部品の入手も可能です。更にはパターンが片面タイプなのでスルーホールがなく部品の交換が簡単です。
手始めに秋月通商から安めのオペアンプを4種類購入して交換してみました。
2回路入低雑音オペアンプ NJM2068DD (オリジナルと同じ)1個50円
2回路入オーディオ用HiFiオペアンプ OPA2134PA
FET入力低歪み2回路入HiFiオペアンプOPA2604AP
2回路入りJ-FET入力高音質オペアンプ MUSES8920D

オペアンプは発信しやすいので発信しにくいタイプやちょっと高めのタイプを選んでみました。
オペアンプの特徴は別ページを参照

回路図はわかりませんが基盤を見てみると比較的しっかりした構成に見えます。
電源部は3端子レギュレータですが負荷は微小な消費電力ですからこの構成ならそこそこで悪くはありません。
入力の初段はオペアンプではなくディスクリートのFETで受けているのも好感が持てます。
ただ、肝心の使用しているオペアンプが1個50円とかなり安いタイプで音質は良くなさそうです。

オーディオ専業メーカーのオーディオテクニカらしくない部品の選択ですが、逆に言えばオペアンプを変えればかなり音質向上が期待できます


基盤は片面基盤なので部品の取り外しは至って簡単でした。ICと一緒に購入したハンダ吸い取り線でカンタンにオペアンプを取り外すことができます。
取り外した後にICソケットをはんだづけします。購入したICを聞いてみたところかなり音が変わります。幸いどのICも発信することなく正常に動作しましたので、用心のため購入した2068DDの出番はありません。
OPA2134PAはオリジナルの2068DDよりも良いことは確かですが、これといって特徴のない音です。
OPA2604APは自然に聞こえる聴きやすい音で、初めはこのICで聞いていましたが、MUSES8920Dのほうが解像度が高く、交換した雰囲気が高く感じられます。

本題はここからです。
数百円のオペアンプでここまで音が変わるならもっと高いオペアンプにしたら、もっと良くなるのだろうか。
初めは、マークレビンソンにも使われているOPA627A を使いたかったのですが、こいつの構成は1回路入りでオリジナルとは少し構成が異なります。2回路入りに変換したものが入手可能ですが、その形状は横に長くAT-PEQ20には実装出来そうにありません
幸いにも新日本無線から気合の入った高音質HiFiオペアンプMUSES02が出ています。
価格は一個3400円
ついでに電解コンデンサをオーディオ用に変えました。
通販では耐圧が自由に選べませんので実装されたコンデンサより高めの耐圧を選ばざるを得ません。
外形が大きくなるのでちょっと心配でしたが、問題なく実装できました。

オーディオ用電解コンデンサー100μF25V85℃ ニチコンMUSE・KZ
オーディオ用電解コンデンサー220μF25V85℃ ニチコンMUSE・KZ
オーディオ用電解コンデンサー10μF50V85℃ ニチコンFG
オーディオ用無極性電解コンデンサー33μF25V85℃ ニチコンMUSE・ES

写真は上半分の片チャンネルのコンデンサを取り替えた状態の写真です。
下半分と比較してコンデンサの形状が大きくなっています。
取り外したコンデンサは右上で、取り返え用に購入したコンデンサが左上です。
電源部はバッテリー駆動していたので取り替えませんでした。

 コンデンサを全部取り替えた写真





オペアンプはMUSES02に取り替え、コンデンサも取り替えた音は全く別次元で、解像度がよくなりきめ細やかな音になりました。

2014年4月



後日談 2017年10月


電源について、


AT-PEQ20を買って箱を開けたときに初めにビックリするのが電源です。
オーディオ機器なのに重要な電源部が電源アダプターなのはあり得ない選択で、オペアンプICといい、電源といい、改造を前提に設計したのでしょうか。
この電源アダプターの質が悪いのは容易に想像できますので、初めはバッテリー駆動していたことは上記に記載している通りですが、暫くの間充電するのが面倒でACアダプタに戻していました。
だが、やはりというかノイズに悩まされることになって、バッテリー駆動に戻したところ改めてクリアな音質になったことに驚くとともに、電源の重要性を再確認させられました。
内部の3端子レギュレータ電源部をいくら強化しても、おそらくだめだと思います。
新しく電源を作るより消費電力が小さいのでバッテリー駆動する方が簡単で、バッテリーは入手しやすいパナソニックのニッケル水素電池を使っています。
1個当たり出力は1.2vなので、10個シリーズにつないで12vを給電していますが、もっとパワーがほしいところです。
 本体の電源スイッチを切っても完全には切れないようで、ほっとくとバッテリーが空になります。なので間にスイッチを入れたほうが良いです。


イコライザについて


パワーアンプは上記ブログを書いた後すぐにデノンPMA2000REを購入しました。
SA1.0が非力なため、デノンのアンプPMA-2000REを購入。(スピーカーはB&Wの805d)
このアンプにはフォノ入力があり聴き比べたところ、AT-PEQ20改造の方が格段にいい音を聞かせてくれています。
PMA-2000REのイコライザーはこもったような歯切れの悪さがあり、AT-PEQ20改造は音がはっきりして艶やかで改造したAT-PEQ20の方が断然音質が良いのです。

PMA2000REのフォノ入力はおまけみたいなもので、おそらく重視していないのでしょう。



2020/08/29
電源部のコンデンサ
 久しぶりに中を開けてみたところ、電源部の電解コンデンサが液漏れしている様に見えたので、コンデンサを外してみましたが液漏れの痕跡は無く、固定用の接着剤の変色でした。



 せっかく外したので新しいコンデンサに交換しましたが、迂闊なことに交換した部品は高さが高く、このままではケースに入りません。元の部品がケースギリギリなので、他に買いなおすのも難しいと判断し元の部品に戻しました。

フィルムコンデンサの交換
 フィルムコンデンサをオーディオ用に取り換えを行っていますが、こちらも実装で苦労しましたが、なんとかかろうじてギリギリ実装出来ました。
 オーディオ用のフィルムコンデンサは大半が外形が大きく、容量も適当なものが見つからず選定に苦労します。当初はルビコンを中心に選定し発注までしたのですが1種類が在庫切れで断念、次に選定したドイツERO社の無誘導・箔巻きポリプロピレン・フィルムコンデンサの評価が高く海神無線に発注しました。交換したコンデンサの一覧は次ページに記載しました。



(肝心のイコライザカーブ用と思われるコンデンサがEROでは入手できず他のコンデンサになってしまいました。涙(T_T))


音質の評価
 実は交換前はそれほどの効果は期待していませんでしたが、交換してみたところ透明感の高い美しい音に代わりました。大げさではなくレコードを再生し始めると、音に引き込まれ聞き入ってしまう感覚があります。実装が厳しいのですが、腕に自信のある方はぜひ交換してみてください。おすすめです。







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